「街路灯」は誰の問題?――商店街管理の街路灯の老朽化、豊橋も例外ではない

道路や橋、水道管などの老朽化は全国で大きな課題になっています。けれど、意外と見落とされがちなのが「商店街管理の街路灯」です。
テレビ朝日の報道では、街路灯が突然倒壊し走行中の車に接触した事例が紹介され、根元が地中と地上の境目で腐食して折れていたこと、原因として水や犬の尿などの影響も指摘されました。つまり、ある日、突然に起き得るインフラ問題だという現実です。
この問題は、豊橋市も例外ではありません。
豊橋の商店街にも「昔つくった街路灯」がかなりある
豊橋市内には、商店街が昔に設置した街路灯が100本以上あります。
しかし、中心市街地の衰退とともに地元経営者が減り、商店街の会員も減少。維持管理(電気代・点検・補修)を、商店街が抱え続ける構造が限界に近づいています。
市長選挙の前、駅前商店街で聞いた“切実な声”
市長選挙の前、私は豊橋駅前の商店街の方々から声を聞きました。
「地元経営者が減って会員が減少し、商店街そのものが存続の危機だ」と。
ひどいところでは、かつて40店舗あった会員が今は5店舗程。
本来、会費は商店街を盛り上げるために使いたい。イベント、PR、次の担い手づくり。
ところが現実は、会費の多くが街路灯の電気代で消えてしまう。
「盛り上げる費用というより、灯りの支払いで終わる」──この言葉が忘れられません。
そして、老朽化した街路灯の建て替えとなれば、さらに厳しい。
「建て替えなんて到底無理だ」
そう言われるのも当然です。なぜなら、商店街の体力が落ちているのに、必要な支出は増えるからです。
さらに二年前には、駅前の商店街の街路灯で電気部分が落下し、偶然通行人がいなかったため事故にならなかった事案もありました。
“たまたま”無事だっただけで、次は取り返しのつかない事態が起きてもおかしくありません。
市も動いている。だからこそ「制度の壁」が見えてくる
ここは誤解なく書きたい点です。
豊橋市でも、担当職員の皆さんが現場の声を聞くためにヒアリングを重ね、制度としても支援の枠を用意しています。たとえば、商業団体が維持する街路灯等の電灯料(電気代)補助があることは、市の案内にも明記されています。
さらに、建て替え・修繕についても、補助率20%・限度額1000万円という枠組みがある。
ただ、ここに現実の“詰みポイント”があります。
補助率が20%ということは、裏を返せば商店街が80%負担です。
会員が減り、会費が電気代で消え、将来投資(にぎわいづくり)に回せないなかで、
「では残り8割を捻出してください」と言われても、捻出できない。
結果として、修繕や建て替えが先送りになり、老朽化が進み、危険が増し、いよいよ大きな出費が必要になる
これが負のスパイラルです。
そして正直に言えば、この状況で一番頭を抱えているのは、現場を知っている市役所の担当職員さんだと思います。
「支援したい」「事故は起こしたくない」「でも制度上は“商店街管理”で、市が全額を背負う設計になっていない」
その板挟みの苦しさ、胃が痛くなるような日々の調整の大変さは、想像に難くありません。
だからこそ、これは担当課だけに背負わせる話ではなく、市全体、そして市のトップの未来戦略として扱うべき課題だと考えます。
解決の鍵は「灯りの負担」だけを見ないこと。駅前に人が集まる“仕組み”が必要
商店街管理の街路灯の問題は、単なる修繕費の話に見えて、実は“まちの循環”そのものの話です。
- 豊橋駅前に人が集まる
- 地元経営者が商いをしても、営んでいける賑わいが生まれる
- 商店街の会員が増える/新規出店が増える
- 会費が「電気代の支払い」ではなく「未来への投資」に回る
- 「将来に向けて必要だよね」という機運が育つ
- 結果として、商店街管理の街路灯も含めた環境整備を“前向きに”進められる
この循環をつくらない限り、補助率の議論だけでは、どこかで詰まります。
つまり、商店街管理の街路灯の更新は“結果”であり、“原因”は駅前の賑わいの設計不全でもある、という視点です。
そしてこの「駅前に人が集まる仕組み」を描くのは、市のトップが未来を描くうえで避けて通れないテーマです。
私は、商店街管理の街路灯の維持管理の課題を、単なる“補助金の話”で終わらせず、中心市街地の再生・地元経営者が営める環境づくりとセットで進める必要があると思っています。
「市の持ち物ではない」で止めず、“共に”前に進む設計へ
テレビ朝日の報道が示す通り、商店街管理の街路灯の老朽化は放置すれば倒壊や事故につながり得ます。
駅前のように人通りが多い場所なら、なおさらです。
商店街管理だから「市の持ち物ではない」で終わらせるのではなく、
市と商店街が知恵を出し合い、安心して発展できる環境整備に早急に取り組む。
そのためには、担当課任せではなく、トップが未来像を描き、駅前の賑わいの循環をつくり、結果として商店街の体力が戻る設計が必要です。
灯りは、まちの“安心”であり、まちの“希望”です。
暗くなる前に、倒れる前に、いまこそ一歩踏み出すべきだと私は考えます。

