水不足の現状から、改めて豊橋の水道行政を考える

雨が降っても、すぐ安心できるわけではない

雨が降った。
それでも、ダムの水はすぐには戻りません。

ダムは、空から落ちた雨をそのままためるバケツではなく、山や川から流れ込む流入水を受けて活かす施設です。しかも地面が乾いていれば、最初の雨はまず土に吸われます。だから本当に見るべきなのは、雨が降ったかどうかではなく、流入水が戻っているかどうかです。

豊橋の水は、自前だけでは成り立っていない

豊橋市の水道は、自己水だけで支えられているわけではありません。
市の資料では、令和6年度の自己水割合は30.87%。裏を返せば、約7割を県水に支えられているということです。豊橋の暮らしも産業も、広域の水に支えられて成り立っている。まず、この現実を直視する必要があります。

その水は、新城以北の水源地域に支えられている

県水の先をたどれば、豊川流域、そして新城以北の水源地域があります。
豊橋の水は、上流の自然と地域に支えられています。

私は、この事実をもっと重く受け止めるべきだと思っています。
新城以北に大変お世話になっている。
この認識は、単なる感謝の言葉ではなく、これからの水行政を考える出発点です。

水の課題は、水道だけではない

水の問題は、家庭の蛇口だけの話ではありません。

工業用水が止まれば、地域の産業に影響します。
農業用水が細れば、田畑に影響します。
土地改良の蓄積が弱れば、地域の農業基盤そのものに響きます。

つまり水は、生活インフラであると同時に、産業基盤でもあります。
豊橋の水を考えるとは、水道、工業用水、農業用水、土地改良まで含めて考えることです。そこまで見て初めて、本当の意味で「地域の水」を語れるのだと思います。

料金差は、現実を考える材料になる

料金を見ても、地域構造は見えてきます。

豊橋市の現行料金表では、口径13mm・2か月20㎥で1,782円、口径20mm・2か月20㎥で3,806円です。新城市の案内では、1か月20㎥で13mmが3,619円、20mmが5,357円と示されています。計算条件は完全に同じではありませんが、上流地域の負担感が軽いとは言えません。

県の一本化の動きは、前向きに議論すべきだ

愛知県は、東三河地域で上下水道の一本化に向け、「豊川流域 上下水道広域連携協議会(仮称)準備会」を開催するとしています。参画を要請しているのは、豊橋市、豊川市、蒲郡市、新城市、田原市、設楽町、東栄町、豊根村です。

私は、この動きそのものは前向きに議論すべきだと考えます。
ただし条件は明確です。

県が一定の責任と負担を持ってくれること。豊橋市民の負担が過度に増えないこと。

そこが担保されるなら、広域で支え合う仕組みは十分に価値があります。
上流に支えられてきた下流のまちとして、感謝を制度に変える議論を進めるべきです。

東三河は一つ。今こそ発展的な議論が必要だ

私は、ここが一番大事だと思っています。

東三河は一つ。

水は行政区域で流れを変えません。
上流と下流、都市と中山間地、家庭と工場、農地とまち。すべてつながっています。

だから必要なのは、単なる水道料金の調整ではなく、広域連合にて運営するかも含めた発展的な議論です。水をどう守るかは、東三河をどう支え合うかという話でもあります。上下水道の一本化は、その入口になり得ます。

最後に

水不足の現状は、ただの渇水ニュースではありません。
それは、豊橋の水道行政を見直す機会です。※直近では、豊橋は維持管理のため、水道料金の値上げも実行しました。

流入水を見ること。
自己水と県水の現実を見ること。
そして、水道だけでなく、工業用水、農業用水、土地改良まで含めて考えること。

そのうえで、上流への敬意を持ち、県にも協力を頂き、東三河全体で支え合う仕組みをつくる。
いま必要なのは、そんな前向きで、発展的な水の議論だと考えます。