豊橋市は公共施設の利用料金の値上げと合わせて、施設の再整備計画を出す必要性がある。

令和7年11月4日の市議会・総務委員会にて、公共施設利用料の値上げについて市から説明がありました。
それを受けて、市民の皆さんから「どうして今なの?」「将来どうなるの?」など、たくさんの声が寄せられています。

「公共施設の料金が上がるって聞いたけど、理由がわからないと納得しにくいよね」
「どうせなら、もっと分かりやすく説明してほしい!」

たしかに、そう思うのは自然なことです。

今回は、豊橋市が“値上げ”と“再整備計画”をセットで示す必要があった背景を、ちょっと砕けた会話風で、でもしっかり本質を押さえながら解説します。
読み終わるころには、「なるほど、そういうことか」というポイントが腑に落ちるはずです。


公共施設の値上げだけだと、市民の納得を得られないワケ

「え、値上げだけ?理由は?」
多くの市民が、まずこう思うはずです。

値上げは“ただの負担増”として受け止められやすい

公共施設の料金が上がると、どうしても市民は、

  • 「市の財政が苦しいの?」
  • 「サービス変わらないのに値上げ?」
  • 「結局、市民負担を増やしたいだけ?」

こんな疑問を抱きがちです。

背景には、老朽化による修繕費の急増、維持費の高騰、人件費やエネルギー価格の上昇といった現実的な理由がありますが、説明が伴わなければ「ただ上がっただけ」と感じるのも当然です。

再整備計画をセットで示すと、市民が“未来の姿”を想像しやすくなる

「確かに値上げは嫌だけど、施設が良くなるなら納得できるかも…」

この“納得”を得るために必要なのが、値上げと同時の再整備計画なんです。

しかも再整備といっても内容は一つではなく、

  • 建て替え
  • 複合化(複数施設を統合し効率化)
  • 廃止(利用実態が少ない施設の整理)
  • リニューアル(改修・設備更新)

といった複数の選択肢があります。

つまり、市に求められるのは「料金だけ上げます」ではなく、
「そのお金で、豊橋の公共施設をどう良くしていくのか」を示すことなんです。


豊橋市の公共施設が抱える“老朽化の現実”とは?

「そんなに古くなってるの?」と思う人も多いはず。

一斉に更新時期が来ている“昭和後期の建物ラッシュ”

豊橋市では、昭和50年前後に建てた公共施設が非常に多く、
40〜50年が経過して一斉老朽化のピークを迎えています。

建物が古くなれば、

  • 修繕費は加速度的に増える
  • 耐震性・バリアフリー対応が不十分になる
  • 設備(空調・配管・電気)が限界
  • 省エネ性も低く運用コストが高騰

こんな問題が次々に出てきます。

“放置=市民サービスの質低下”が目に見えてくる

たとえば、

  • 体育館の空調が止まりやすい
  • 公民館やホールのトイレが古い
  • 暑い・寒い季節に快適に使えない
  • 設備故障でイベントが中止になるリスク

こういった状況が普通に起きるようになります。

値上げをしないと「維持すらできない」状態が近づいている

行政も本当は値上げしたくありません。
でも現実として、今の料金のままでは運営や修繕費が追いつかないという壁に直面しているのです。


なぜ“再整備計画”を同時に出す必要があったのか?

ここが今回の最重要ポイントです。

値上げを“市民への投資”に変えるため

値上げは嫌でも、
「その分、施設が良くなるなら仕方ないか」と思える場合もあります。

逆に、

  • どの施設が
  • いつ
  • どの方法で(建て替え?リニューアル?複合化?廃止?)
  • どのくらい改善されるのか

こうした未来像が見えないまま値上げだけ発表されると、
市民は「不透明だ」「納得できない」と感じるのは当然です。

利用者は“コスト”ではなく“サービス”を見ている

たとえばスポーツ施設の場合、

「値上げするなら、コートの床直してよ!」
「トイレも古いし、暑すぎるよ!」
「予約システムも分かりづらいままだよね?」

こういう現場目線の声が必ずあります。

だからこそ、市は値上げとセットで、
「どの施設を、どの方法で再整備するか」を明確に示す必要があるわけです。

再整備の4つの方向性を示すことで、市民は判断しやすくなる

  • 建て替え…老朽化が激しい施設に
  • 複合化…非効率な単独施設をまとめて利便性向上
  • 廃止…利用が極端に少ない施設の整理
  • リニューアル…空調、トイレ、内装などの改善

こうした選択肢を市が整理して示すことで、
値上げの「理由」と「使い道」が初めて理解されます。


豊橋市が今後示すべき“再整備計画”のポイント

じゃあ、どんな再整備計画を出せば市民が納得しやすいのか?

① 優先順位を明確にする

「どこから直すの?なぜそこから?」
これを示すだけで透明性がグッと高まります。

② 利用者の声を反映した改善項目を示す

  • トイレの洋式化
  • 空調の更新
  • バリアフリー化
  • Wi-Fi整備
  • 音響・照明の更新

こういう“市民が日常で困っている項目”は特に重要です。

③ 将来を見据えた「長期計画(10〜20年)」を作る

市民の最大の不安は「これからどれくらい負担が増えるの?」という点。

だからこそ、

  • どの年度に工事するか
  • 費用はいくらか
  • 優先度はどうか

これを長期で見せることが求められます。

④ 再整備内容は4方向(建て替え・複合化・廃止・リニューアル)で整理

単に「直します!」ではなく、

  • この施設は廃止
  • これは複合化
  • これは建て替え
  • ここはリニューアル

と施設ごとに方針を明確にすべきです。


まとめ:値上げ+再整備は、豊橋市の未来の“セットプラン”

今回のポイントはこれにつきます。

「値上げだけ発表しても、市民の理解は得られない。
その値上げによって“どんな未来をつくるのか”を、同時に示す必要があった。」

公共施設は、豊橋の生活や文化の中心となる大切なインフラです。
老朽化が深刻になっている今こそ、
値上げと再整備をセットにした丁寧な説明と長期的なビジョンが必要です。